「大丈夫だったか?」



「いっちゃん!」



教室に戻ったあたし達に駆け寄ってくるいっちゃんとたっちゃん。

その声に余裕はなくて、二人とも玲を心配していたんだということが伺えた。



「大丈夫だよ!

河村君に…青木君」



玲は微笑みながら言うと、そそくさと自分の席へと戻って行った。



あたしの勘違いかもしれないけど、玲がたっちゃんの事を呼んだ時、少しだけ照れていたような気がした。

…玲、少しはたっちゃんの事を意識してる?



「はぁ………」



あたしは小さなため息をついた。


玲の新しい恋の為に、何か手助け出来ないのかな…。


たっちゃんは玲の事をどう思っているのだろうか。



…そうだ。

それが重要だよ!



「光里どうした?

ため息なんかついて」



あたしがちょうどそんな事を考えていた時、いっちゃんが話しかけてきた。



「それがね―――」



…あ。

あたしはいっちゃんのおかげで、ナイスな事を思い付いてしまった。




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