直感的にそう思ったあたしは、玲の手を引っ張る。
そして、たっちゃんと話しているいっちゃんの所に行った。
「あたしと玲、一限目の授業サボるから。
先生に言っといて」
「あ…ああ、分かった」
いっちゃんは何か言いたそうな表情だったけど、状況を察知して何も言わなかった。
「行くよ、玲」
「ちょ…光里!?」
戸惑う玲をあたしは無視して、教室を出て行った。
…玲はあたしにとって、お姉さん的存在で大親友。
あたしが困った時はいつだって助けてくれた。
だから、今回はあたしが玲の力になる。
今まであたしを救ってくれた分の恩返しだよ、玲。
長い長い廊下を進むと、自然と目に映る階段。
あたしは玲の手を引っ張ったまま、その階段を駆け上がっていく。
そして、目の前に現れた一つのドアをそっと開けた。
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