もうすぐ二学期も終わるという時期の十二月。



「へっくしゅんっ!」



「おい、風邪かよ?」



「…分かんない」



あたしはいっちゃんと学校の廊下を歩きながらくしゃみと戦っていた。


急に寒くなり始めたから、風邪でもひいたのかな?



「ま、寒かったらいつでも俺の肌で温めてやるからな?」



「ば…バカ!!」



いっちゃんは季節が変わっても相変わらず。



いっちゃんとそんな会話をしていた間にも教室の前まで来ていたあたしは、ドアを開けて教室に入った。


席にカバンを置いて、いつもと同じように玲の所に行く。



「れーいっ、おはよ―――」



あたしが玲に飛びつこうとした瞬間、あたしの声が止まった。



「…光里おはよ」



いつも通りに振る舞っている玲。


…だけど、泣きまくったのか目はかなり腫れていて、そして顔がやつれている。


「れ…い?」



「あたしコンタクト入れたまま寝ちゃったみたいでさ。

バカだよねー、あたし」



無理矢理笑っているように見える玲。


…きっと、何かがあったんだ。




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