「つーか、光里どうしたんだ?」
「河村君にテストの首位奪われたことが相当ショックらしいよ…」
すぐ横で、玲といっちゃんの会話が聞こえてくる。
「つーか、部活行くぞ。
俺に負けた二位さん」
――プチッ…
頭の血管が切れた音がした。
あたしはそんないっちゃんを睨み付けて、部活に向かうことにした。
「そんなに俺に負けたことが悔しいのか」
「当たり前じゃん!
あたしの一位連勝記録を…」
あたしはこの時に誓った。
…次の学年末では、絶対にいっちゃんに勝ってやると。
あたしが闘志を燃やしていると、いっちゃんが思い出したように口を開いた。
「そういえば、今日って奈美さんと兄貴のドラマの日だよな?」
「そっか!
いっちゃん出てるから観よ!」
奈美さんと那知君のドラマとは、夏のサッカー部での合宿のときに撮影されていた、あのドラマのこと。
さっきまで落ち込んでいた気持ちが、一気に上がってくる。
部活早く終わらせてドラマ観るぞ!
あたしはルンルン気分で部活に向かった。
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