毎回、どんなテストでも一位だったあたしが…首位を奪われた。
しかも、あたしから首位を奪った相手は…。
「…いっちゃん」
いっちゃんが頭が良いのは知ってた。
だけど、こんなに頭良かったの?
この期末テストの時期だって、全然勉強してなかったし。
もちろんあたしは、必死で勉強してた。
いっちゃんって、あたしと違って天才系って呼ばれる部類の人?
そんな能力持った人なの?
どうなの、いっちゃん!
「ちょっと光里、落ち着いて!」
「…へ?」
玲に言われて我に返ったあたしは、掲示板をゴンゴンと拳を作って叩いていた。
あたしの周りには、たくさんのクラスメート。
…は、恥ずかしいっ!
あたしは急に顔が赤くなった。
「でも、すごいじゃん!
カップル揃って上位独占なんて。
この二人から生まれた赤ちゃんは、凄く頭が良いんだろうね」
―――ゴンッ…!!
玲の言った、「二人から生まれた赤ちゃん」のところで、あたしは過剰に反応してしまい、掲示板の角に頭をぶつけてしまった。
周りの人は、そんなあたしを笑いながら見ている。
更に恥ずかしくなって、あたしは俯いた。
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