そんな訳で学校中の人達に囲まれてるあたし達。

そんな状況の中…



「光里も河村君も大変だね…。

ま、頑張りなよ」



「この光景写メろっと!」



「二人とも何してんの?

少しくらいは助けてよっ!」



玲とたっちゃんは助ける様子がまったくないようで。


隣にいるいっちゃんも、そんな二人を見て呆れ返っていた。


ふと教室にある時計を見ると、もうすぐ部活が始まる時間で。



「どうしよう…。

これじゃ、部活行けないよ」



あたしの呟きに、いっちゃんは何か考え込んでいるみたいだった。

そして、いっちゃんが何かを決めたように、前を向いたその時―――



「…しょうがねぇな」



いっちゃんはあたしをを見てニッと笑うと、こっちに向かって手を伸ばしてきた。

あたしは咄嗟に目をつむる。



…あれ。

なんか体が軽いよ?



あたしはそっと目を開けてみた。


そして自分が今されていることを理解してしまい、思わず叫んでしまった。



「これって…

お姫様だっこーっ!?」




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