あたしが前を向くと、ちょうどお父さん達が戻ってきた。
「光里ちゃんっ、受付済んだわよ。
…って、依知君は?」
「いっちゃんなら、いっちゃんパパに会いに行ったよ。
あと、さっきいっちゃんママに会った」
あたしの言葉を聞いたお母さんは顔を一気に明るくさせた。
「依知君のママに会ったの?」
「さっき、そっちに行ったから行ってくれば?」
あたしがニコっと笑って、いっちゃんママが去って行った方向を指差すと、お母さんは申し訳なさそうに笑った。
「じゃ、お言葉に甘えて行ってくるわね?
先、式場に入っといてね」
久しぶりのいっちゃんママにウキウキしながら去って行くお母さんを見届けながら、今度はお父さんに声をかけた。
「お父さんもいっちゃんパパに会ってくれば?」
「でも、光里が…」
「あたしは、いっちゃんがいるから大丈夫!
久しぶりなんだし、会ってきなよ」
あたしがお父さんの背中を押すと、お母さんと同じくあたしに申し訳なさそうに頷いた。
「じゃ、俺も行ってくるよ。
光里、ありがとな」
嬉しそうな表情をしたお父さんをあたしは笑顔で見送った。
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