「…光里ちゃん。
依知、光里ちゃんに会って、オーラが優しくなった気がするの。
だから、お礼を言っておくね。
光里ちゃん、ありがとう」
あたしはポォッと顔が赤くなる。
「これからも依知をよろしくね、光里ちゃん?」
「わ、分かりました!」
あたしが照れながらもいっちゃんママを見ると、優しく笑っていた。
いっちゃん、こんなお母さんに育ててもらって幸せ者だな。
「じゃ、色々準備あるから行くわね?
光里ちゃんのご両親にも会いたかったんだけどな…。
お父さんとお母さんにもよろしく言っておいてね」
「はい…!」
そうして、いっちゃんのお母さんは去って行った。
…いっちゃん、あたしに出会って変わってたんだ。
あたしは文化祭のときに考えてたことを思い出す。
―――「あたしは、いっちゃんと出会って何か変われたかな?
いっちゃんも、あたしと出会って何か変わったかな?」
いっちゃんは、あたしに出会って変わった。
あたしも、いっちゃんと出会って、変われてたらいいな…。
いっちゃんママ、色々ありがとう…。
あたしは既に見えなくなったいっちゃんママの姿をずっと見ていた。
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