呆れるあたしといっちゃんに気付かずに、那知君はどんどん暴走していく。



「まず、一番!

光里ちゃんに会いに――」



「早く言え!!」



そう叫ぶと同時に、いっちゃんに背中をおもいっきり叩かれる那知君。


…那知君、本当にいっちゃんのお兄ちゃんですか?



「まあまあ、そう焦んなって。

俺はただ二人にこれ渡しに来ただけだから」



そう言って、那知君はあたしといっちゃんに一枚ずつ封筒を渡してきた。



「これ何?」



「ま、開けてみな」



あたしが尋ねると、やはりニコニコ笑顔の那知君。

あたしといっちゃんはお互いに目を合わせると、一気に封筒を開けた。



「招待状…?」



封筒の中に入っていたのは、何かの招待状らしきものだった。



「兄貴、これなんだよ」



「俺と奈美の結婚式の招待状」




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