「…光里、どこにいんだよ」



俺は校舎内を一通り見て回ったが、光里と光里を連れ去った男はどこにもいなかった。



なかなか見つからない苛立ちと、俺自身の情けなさにため息しか出て来ない。



…もう一度、校舎を一周してみるか。

俺は元来た道を戻ろうとして振り返った。



そんな時、俺の目にある景色が入った。


それは中庭だった。



「中庭か…」



確か、中庭は立ち入り禁止になってるとかなんとか、担任が言ってたな。


…あそこなら、あり得るかも知れねえ。



「行ってみるか、中庭に」



俺は覚悟を決めると中庭目指して走り出した。




…光里。


俺は、お前の危機をすぐに救ってやれなくてごめんな?


俺は、お前を守るって決めたのに…。



こんな俺は…彼氏失格だよな。



だけど、光里を想う気持ちは誰にも負けねえ。

今度こそ光里に何かあったら、俺はお前を守るから…。



どうか無事でいてくれ、光里!!




.