「もういい!!

いっちゃんなんか知らないもん!!」



「ちょっと、光里ちゃん!

お母さんの苺あげるから我慢して?」



駄々をこねまくるあたしを見兼ねて、お母さんがあたしのお皿に苺を移す。


あたしはムスッとしながら、お母さんの苺をフォークに突き刺した。

こうなったら、お母さんの苺をおいしそーに食べてやる!



あたしが苺を頬張ろうとすると…



「あれ?苺がない…」



あたしのフォークには、苺が

……ない。



あたしの苺、どこにいった?



ふといっちゃんの方を見ると、あたしは愕然とした。




「はい、おばさん」



なんて言って、あたしの苺(元はお母さんの苺)を返却してるんだから…。



「ちょっと、いっちゃん!!

苺なんか取って、ほんとに何がしたいの?」



あたしはいっちゃんに向かって怒鳴る。



すると、いっちゃんはニヤっと妖しく微笑んできた。


…恐ろしい予感がする。




.