「ああっ!!

いっちゃん、あたしの苺食べないでよ…!!」



「だって、光里の苺が俺に食べてくださいって訴えてたんだよ」



「いっちゃんのバカーっ!!」



あたしは持っていたフォークをいっちゃんに向ける。

いっちゃんはそんなあたしを見て苦笑い。



あの、想いが通じ合った合宿から帰ってきて早二週間。


宿題もそろそろやばいなって思ってくる季節です。




そんな今日、小原家ではお父さんの四十歳の誕生日パーティー真っ盛り!

うちのお父さんは何気に若いの。



そして、あたしは今ケーキについてた苺のことで揉めております。




あたしは、大好きなものは後に残しておく派。


そんなわけで、苺を残していたら…

見事に、いっちゃんの胃袋に収まっちゃったわけです。



いくら、いっちゃん付き合ってるとはいえ、こんな意地悪なところは変わってないです。




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