俺は水着にTシャツという格好から、本番の衣装に着替えて本番を待った。
「準備できました。
お二人とも移動お願いします!」
「分かりました。
行くよ依知くん」
「…はい」
奈美さんがスタッフの人に返事をすると、俺を呼んだ。
俺も立ち上がると、奈美さんに着いていく。
そして、着いた先は…
「俺の部屋の隣…!?」
「依知君の部屋の隣なの?
なんか偶然だね!」
奈美さんが微笑む中、スタッフの声が周りに響いた。
「それでは、リハーサル行きます!」
スタッフが慌しく準備をし始めたその時、奈美さんは口を開いた。
「…あの。
このシーン、リハなしでお願いできますか?」
奈美さんの言葉に、スタッフの人たちは呆然としている。
…もちろん、俺だって。
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