「本当に行けるなら、未来に行かせてよ。早く大人になりたいんだよね。勉強なんてしたくないし、学校なんてだるいじゃん?」

 高揚しているのか、少し早口で少女は話し、刹那はそれを聞きながら微笑み、頷いた。

「かしこまりました。未来でよろしいですね?」

「いいって。本当に行けるもんなら、早く行かせてよ」

「一度しか行けません。構いませんか?」

「だからいいって言ってんじゃん。早くやってみてよ」

 苛立ったように急かす少女は、勢いよく刹那に詰め寄る。刹那は微動だにしない。

「では・・・、逝ってらっしゃい」