時空堂に行く間、俺は今日は刹那に何を聞こうか何を話そうかといつも考える。 考えても客が来るから、結局あまり話せないし、クロの邪魔が入る。 「刹那どんな話しが好きかなぁ」 色々問い掛けたいことはあるのに、聞きたいことの5%も聞けていない。そんなことを考えているとあっという間に、時空堂の近くに着いた。 「あれ?」 ふと時空堂の方向を見ると、中年の男が、時空堂を見つめている。 人の行き交う中、誰も見向きもしていない時空堂を。