「未来に行きたい?過去に行きたい?」

 女の話を無視して刹那は話す。

「・・・はぁっ?お姉さん頭おかしいんじゃないの?私は家に帰りたいんだってば」

 俺も最初はそんな反応だったよ、少女。

「頭は至って正常よ。この時空堂は未来にも過去にも行ける店。ただし、たった一度だけね」

 少女は目を丸くして、興味を持ったのか刹那の話を聞く。

「それ本当なの?超面白そう」

 こんな怪しい話、そんなにすんなり信じるのか、少女よ。今度は俺が目を丸くした。

 化粧が濃いこの少女は、怪しく笑い、長い睫毛で目は隠れていた。