そう、俺にはやりたいことがある。

 刹那を、時空堂を・・・。

「潤」

 突然名前を呼ばれ、下を向いていた顔をあげた。

「おまえももうすぐ二十歳だ。俺が待つのは本当にあと少しだからな」

「うん、分かってるよ」

 父親は立ち上がり、上着を手にした。

「じゃあ、また仕事行ってくる。戸締まりよろしくな」

 分かった、と返事をし、父親の背中を見送った。

 親に心配かける歳じゃなくなってきた。そろそろきちんとしなくちゃいけない。