ゆっくりと扉を開き、恐る恐る中の様子を覗き込みながら客は入って来た。
その客は、刹那を見てびくっと体を強張らせた。風貌に驚いたんだろう。
「えっと、あのさ」
「時空堂へようこそ」
客を遮って刹那は声をかけた。
「はぁ?えーっと、何ここ?超不気味なんだけど。ってか帰りたいんだけど、帰れなくてさ。道聞きたいんだけど、この辺ここしか開いてないんだよね」
それは大きな間違いだ。
この辺の店は今の時間まだ開いている。ただそれが見えていない。それがこの店に、選ばれた人間。
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