「ひっく、ぅー、もう私どう、したら・・・、未来になんて、来るんじゃなかった」

ガサッ

 背後で音がし、体を強張らせた。その瞬間。

「見ぃーつけたっ」

 背筋が凍るような声がした。息が出来ない。体が強張って振り返れない。

「薫?何してるの?あれだけ家から出ちゃ駄目って言ってるのに」

 優しい声なのに、耳に入るたび虫ずが走る。冷や汗がとめどなく溢れる。

「りゅ、ぅ」

 背後に現れた龍は、ザッザッと砂を踏み締め私の前に立ちはだかった。