そう答えたあと、お姉さんの指が私に向けられた瞬間、私の体はすうっと軽くなり痛みが消えた。

「時間がないわ、やることがあるなら早く」

「ありがとう」

 立ち上がり、スリッパを穿き、ベットの脇にあった引き出しを開けた。小銭が何円か置いてある。

「よしっ」

 きっと誰かが何かのおつりとかで置いていっていたんだろう。良かった。

 病室を出て、公衆電話を探した。電話のマークの書かれた看板を見つけたあと、それに従い進み続けた。

「あった」

 少し息切れをしながらやっと公衆電話にたどり着いた。