「正す・・・。そうよね。自分の子だものね」

 でも私には声を出す術がない。体だって自由に動かすことだって出来ない。役立たずのこの体。せめて声さえ出たらいいのに・・・。

 私が死んで、あの子達に保険金が入ったらそれこそ思うツボ。なんとしてでも阻止しないと。でも、どうやって?私にはもう時間がない。そう思うとなおさら気持ちは焦った。どうにかしないと。

 旦那さんの遺産もあの子達に渡したのとは別に私は溜め込んでいる。私が死んだあとあの子達が困らないようにと思って・・・。でも、あんな子達にあげる必要なんてない。そう、あの子達にあげる必要なんてない。いっそのことどこかに寄付でも・・・。

 色んなことを頭の中で考えた。

「お姉さん、私の残り時間はあとどれくらい?」

「・・・多分そんなにないでしょうね」

 お姉さんは背を向けたまま答えた。