そう言って直子さんも部屋を出て行った。 「ふぅ。あの二人が一緒だとなんだか落ち着かないわね」 千賀は髪を一つにくくりながら、先ほどとは少し違う声質で話した。 「そう言ってやるなよ。自分の夫と義理の姉じゃないか」 クククっと慎介が笑うのを聞いて背筋がゾクゾクとした。 なんだか気分がよくない。 「赤の他人じゃない。身内ですら信用できないのに一緒にいたって安心できないわよ」