どんなに呼び掛けても、刹那は俺の存在を消しているかのように、全く反応してくれなかった。

「確認させていただきます。一度しか行けません。構いませんか?」

「はいっ」

 少女は笑顔で答えた。まるで遊園地にいる子供のように。

「では、逝ってらっしゃいませ・・・」

 そう言っていつものように、人差し指をピンと伸ばしたあと、少女はスゥーっと消えた。