「あのさぁ、そんなこともう自分でも分かったって。お姉さんに言われて、余計実感沸いたけど・・・。私さ、今までの記憶ないんだけど」 「あるじゃない、今」 「違うって。私がお姉さんの店に行った後からここまでの数年間の話。辻褄とか合わなくて焦ってるんだけど」 淡々と話す女を見て、私は少し苛立ち、感情的に話した。 「それならゆっくりあなたの脳に、直接入れてるわ。本当なら行く前に、全部記憶を入れてあげるはずだったんだけど、あなた急かすから」 女はにっこりと微笑みながら、着物の袖で口元を隠した。