「いや、だって」 「平気だ。すぐに治る」 そう言って、前足で刹那の顔をぽんぽんと叩く。 「刹那、奥に行け。ここに倒れるな」 クロがそう言うと、刹那はゆっくりと目を開け手をつき立ち上がった。よろよろと前に向かって進み、俺が入ってはいけない奥へと進んで行った。 「刹那大丈夫なのか?」 「えぇ、大丈夫」 か細い声で答えた刹那は真っ青な顔をしていた。本当に消えそうで、弱弱しい声だった。肩で息をし、ゆっくりと進む刹那の背中をただ見ることしか俺は出来なかった。