しばらくクロを見て、観察していた。一体クロの正体は何なんだろう。そんなことを思いながら見ていると、ぴくぴくとクロの耳が動いた。その瞬間、すぅっと刹那が姿を現した。 「おかえり」 「ただい」 ドサッ。 ただいまと言おうとしたであろう刹那が、俺の目の前で突然倒れた。 「せ、刹那っ」 俺が刹那に近寄るよりも早く、クロが駆け寄った。 「刹那、刹那大丈夫か?おいっ、刹那」 「五月蝿い。そんな大きな声を出すな」