「見たのよ。パソコンの履歴に賃貸情報の履歴があったわ。不動産に行って確認したら、さっき仮契約したって。なんで?どこにも行かないって言ったでしょう?恭ちゃんが嘘なんてつかないわよねぇ」
なんで、なんでこんなに・・・。
「なんでなんだよっ。何なんだよ、一体。あんたは何がしたいんだよ。俺は父さんじゃないんだっ、解放してくれよ」
「恭ちゃ・・・ん?」
だめだ。言葉が止まらない。あいつは驚いたようで、少し後ろに下がった。
「もう限界なんだよ。父さんが死んでから、おまえは俺のことなんだと思って見てた?なぁ?おまえはおれのこと父さんと重ねあわせてなかったか?気持ち悪いんだよ、いい歳してわんわん泣いて。どうしろっていうんだよ、俺は父さんじゃない」



