何が不思議かって? まずこの店だ。この店は店なのに看板がない。円柱のような屋根には、看板の代わりに、いびつな形をした針がついた時計がある。 そして俺以外の人間と、選ばれた人間以外にはこの店は見えないし、触れない・・・らしい。 普通の人間には、ただの空き地にしか見えていない。何故俺が自由に出入り出来るのかはわからない。 何より一番不思議なのは二十歳前後くらいであろう、白髪の着物姿の女が店主だということと・・・。 「またおまえか」 こいつだ。