彼女が放った言葉に、ドキッとした。

「どういう・・・、ことですか?」

「そのままの意味よ。あなた時空堂に来たとき、ここに来てから、あの人がいるとき、全部が違う気がしたから」

「ずっと見てたんですか?」

「さぁ」

 この人はいったい何者なんだろう。赤いピアスが白髪の間から目にはいる。少し禍々しく感じた。

「なんでもお見通しって顔ですね。でも、俺話すつもりないんで」

 そう言うと「そう、邪魔したわね」と言って俺の前から消えた。