扉を開けたのは、着物と髪が印象的な女だった。俺と同じくらいの年齢だろうか・・・。

 黒の着物に色鮮やかな帯。髪はストレートの長髪で、白髪だった。

 何も言えず、固まっていた俺に、彼女は表情一つ変えずにじっと俺を見ていた。

「・・・えーっと」

 扉を叩いたのはいいが、何を言いたいかなんて考えていなかった俺は、口ごもってしまった。

「何の用?誰?」

 見兼ねた彼女は、そう言った。

 これが俺と刹那の出会いだった。