クロの怒号が響いた。部屋の中から聞こえる。 「潤、それ以上近寄るな」 いつもとは明らかに違う声色で話すクロ。 「なっ、いや、だって刹那が」 「大丈夫。あとはどうにかする。潤は帰れ」 口調は変わらない。でも威嚇するような声色。 「・・・大丈夫なんだな」 クロの怒号で、少し落ち着いた。 「あぁ、案ずるな。少し休めば治るだろうよ。なぁ、刹那」 「はい」 小さな声で、刹那は答えた。