「ありがとう、ごめんなさい」 弱々しく答える。 今にも倒れそうな刹那を両手で支え、奥へゆっくりと進んだ。 「クロ、おーい、起きろー、刹那が大変なんだって。クローっ」 進みながら、クロを呼ぶ。だが反応はない。あと三歩で部屋の奥の真っ黒な引き戸に着く、その時だった。 「それ以上動くなっ」