「大体人間とは面倒臭いものだな。愛だの恋だの嫉妬だの。邪魔だとは思わぬか?」 クロは寝る体勢になりながら、真剣な声で話始めた。 「分からぬ。面倒なことなど、わざわざ自分から求めなければいいものを。やめれば良い。それか待てば良いだろう」 「じゃあ、クロはなんで、彼女なんか作ったんだよ」 俺はクロを見ながら、お茶の容器に手を伸ばした。 「寄ってきたから、おいているまでだ。情報を得るための道具に過ぎぬ」