「なんだよっ、じゃあ、クロ。おまえにはいるのかよ」 「ふっ、ははっ」 またしても鼻で笑われた。なんでこんなに馬鹿にされるんだろう。 「愚問だな。当たり前だろう、ふん」 やべぇ。俺、猫に馬鹿にされてる。とてつもなく悲しく、虚しくなった。まぁ、喋る猫は猫じゃないのかも、しれないけど。 「あのさ、一つ聞いていい?」 「何だ?」 鼻をぴくぴくっとさせ、髭を少し上下に動かしながら、クロはこっちを見た。