「友達いないのか?ん?」

「いやいや、友達くらいいるよ」

 失礼な人だ。いや、違う。失礼な猫だ。

「それならば遊べばよいだろうに」

「ほっとけ」

「だから彼女がいないんだな」

 またニヤっとこっちを見ながら言った。

「いないんじゃなくて、作んないだけ。紛らわしい言い方しないでくれるかなぁ?クロ」

「強がりはよくないぞ、潤」

 クロは、ふふんっと鼻で笑った。猫に負けた気がした。