懐中電灯を口にくわえ、拳銃を見る。弾はあと一発。 「俺も・・・、いくとするか」 そう呟き、深呼吸をしたあと、こめかみに銃口を当てる。頭を一発で撃ち抜けば、痛みも意識も一瞬で済むだろう。 「ねぇ、それでいいの?」 背後から声がして、さっと振り返った。懐中電灯のせいで、夜目がきかない。暗くてはっきり見えないが、月明かりのおかげでうっすらと白髪が見えた。 「あんた、あの店の?」 「えぇ」