「・・・行くか」 「そうだな」 そう言って俺たちは歩き始めた。 「とりあえず一旦家に帰って、荷物を置いてくるよ。少し気持ちを落ち着かせてくる。状況も分からないし」 「そうか。俺もそうするよ」 篠原の方は見ず、下を見ながら言った。 「元気出そうぜ?なっ?」 「あぁ、わかってるよ」 わかっているさ。今この世界の誰よりも何が起きたか分かっている。 これはあの日。俺の望んだあの日なんだから。 最大の過ちの日だ。