「その元カノさん、とっても良い人だったんだな。」



「ああ。」



妙にしんみりする。





「お前には勿体ないくらいに。」



「それは俺が一番分かってる。」



杉浦はニヒヒと笑う。









「でも、後悔するんじゃなくてさぁ。


その人のために今頑張ろうとか思わないのか?」



「どういうことだよ。」




杉浦は遠くのほうを見つめる。








「ノンフィクション恋愛小説を書いたある小説家が言ってた。




後ろを見るなら前に進め。



償いたいなら今を生きろ。





てね♪」




杉浦が言った言葉はすごい深い言葉だった。



その言葉が俺の心に突き刺さる。