そのコップは空(ソラ)だった。





『サトル…会いたいなぁ…。』



「・・・・・。ごめん…忙しくて…。」



何言ってんだよ、帰宅部が忙しいわけないだろ。





『そーだよね。


あっ、あたしもぅそろそろで退院するんだ♪


そしたら、会いに行くから。』





「わかった。」




『あはは~楽しみだな~。』



「ソラ。俺、テストあるから勉強しないと。」



『あっ、テストあったの!?それを早く言ってよぉ。


今、数学とかどこやってんの?』



「連立方程式」


『あっ、あたしそこ得意!!

数学とかいっつも60点くらいなんだけど


そこの単元は94点だったんだよぉ。』



「そっか。」



『退院して分かんないところあったら

あたしが教えてあげる!!


って、もぅ度忘れしてたらどうしようっ。』



「ソラ・・・。」




『あはは。ごめんごめん。


んじゃ、テスト頑張ってね!



・・・だいすき。』




・・・・・電話が切れた。