そのコップは空(ソラ)だった。





『聞いて聞いて!!


病院のおみそ汁めっちゃおいしいんだよ!!



おばあちゃんが作るみそ汁より


おいしくってビックリしちゃった☆』




電話越しのソラは元気だった。



いや、あとで知ったけど


元気そうに見せていただけ。




『サトル、聞いてる?』



「えっ…ああ、聞いてる。」




『あはは。


てか、それじゃあ、おばあちゃんに失礼か。』




ソラは毎日、俺のケータイに電話してきた。



嬉しかったよ。


そりゃー嬉しかった。




でも、嬉しさより空への罪の意識が多かった。






だから、返事も曖昧になってしまう。