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「ソラ…。」
ぎゅっと抱きしめた。
小さい体なのに
俺の冷めた心と体を温めてくれる。
「ソラ…なんか懐かしい匂いがする。」
『ふぇ?…あっ、あれじゃない?』
ソラは窓の外の咲くキンモクセイを指さした。
『近所の人が育ててるの。
だから、外に出たりすると匂い付いちゃうみたい。
さっき干していた布団を取り込んだから♪』
そうだ。
この匂いはソラの匂いなんだ。
秋になると小学校に咲くのはキンモクセイ。
小学生の時、キンモクセイの匂いを嗅ぐと
すぐにソラのこと思っていたっけ。
「このにおい好き」
俺はソラに抱きつき甘える。
あははっと笑うソラ。
「ソラも好きー」
『ありがとう。』
そして、どちらからともなく
小学校へ行こうっとなった。



