「っで、お前はどうすんだ?」
「あ?なにが?」
池田は俺の態度にイライラしているらしい。
貧乏ゆすりの振動がここまで伝わってくる。
俺だって貧乏ゆすりしたい気分だ。
「相手が浮気してるんだから
男として黙っていられねぇだろ?」
ここで"男として"って使うところが卑怯だ。
さっきからどうもしない態度をしてた俺を
否定するような言い方だ。
「まぁ、俺からは言わない。
その浮気相手が俺よりいい奴なら
あいつだってそのうち俺に言ってくるだろう。」
「後悔はしないのか?」
急に池田は声をひそめる。
どうやら池田にとってその浮気相手は俺よりいい奴らしいな。
「ああ、しない。男として。」
"そうか"と池田は席を立った。
俺も支度がし終わったので席を立つ。
「新しい情報とか知りたかったら
いつでも俺のところに来いよ。
一回100円で教えてやるよ。」
金取んのかよ。
誰が金取られてまで聞くかっつーの。
まぁ、良い記事が出来上がるといいな、新聞部くん。



