そのコップは空(ソラ)だった。



「今すぐに答えが出せないのは分かっている。

今週末まで答えを出してくれれば対処ができる。


さっ、飯だ」


「いらない」


彼らから逃げ去るように私は早足でその場を後にした。



自分の部屋のドアをパタンと閉めて、頭の中を整理した。


「私が・・・転校すれば・・・

私は誰の心配もせず・・・生活できる・・・


黒住くんも・・・自由に生活できる・・・」



そのほうが両方のためと分かっていても


私はその決断を下す勇気はなかった―。