そのコップは空(ソラ)だった。




「不純って…まだ未遂だろぉーが」


黒住くんが彼女が出て行った屋上のドアに


あっかんべーをする。



なぜ彼は平気でいるのだろうか?



「まぁ、気にすることねぇよ。


バレなきゃいいんだから。な?」



彼は私を見た。


彼は私を見て止まった。




「…気にすんなよ、あいつの言うことなんて。」


彼の沈む声に私は首を振った。


気にするよ…


初めて先生に怒られて心にぽっかり穴が開いた。



今まで積み上げてきたものが全て灰となって消え去った。



いつもいつも優等生でいようと


頑張ってきたのにそれを一つの過ちで



優等生として課せられていたポイントが減点した。





私…もうどうすればいいのか分からないよ…。