そのコップは空(ソラ)だった。




「須川優子!」


「・・・!」


久本先生は今度は私に目を向ける。


「聞こえているでしょ?須川優子!」


「はっはい!!」


私は声が裏返った。


客観的なものが主観的なものになるなんて・・・。


私はつばを飲み込む。



「あなたも生徒会に所属しているなら


自分の行動に責任をとりなさい!!!」


「はい…ごめんなさい…」



初めて…怒られちゃった…。



先生に初めて怒られた。



今まで褒められたことしかない私が…。



心が重く沈んでいく。



「まったく、もう少し風紀委員になった自覚を持ちなさい。


今度、不純な交際を見かけたらこれじゃあ済みませんからね。」



久本先生はそう言って、屋上から姿を消した。