そのコップは空(ソラ)だった。




「黒住文也!」


「はいッ!!!!」


またもや彼の名前を呼び


久本先生の赤い眼鏡がきらりと光る。



「あんた風紀委員なのに何て格好してるの!!


少しは自分の姿に恥じなさい!!」


「はっはぁ・・・」


さすがに黒住くんでも呆気に取られる。



「なんなのこの頭!」


「金髪デス。」


「高校生が髪を着色するなんて早いわ!!」


「先生は茶髪にして髪の毛下ろしたほうが可愛いですよ。」


「黙りなさい。」


「―はい。」



うわぁぁ…コワイ。


先生とフレンドリーに話す彼でも


この人に勝てないのか・・・。



この人が風紀委員の顧問なんて・・・。