そのコップは空(ソラ)だった。



「須川。」

「はい…?」

「許せ。」

「え?…」


腕を引っ張られ

抱きしめられた


―と思ったら


押し倒された。




「えっ…あっ…!?」


「動くな、戸惑うな」


黒住君に上からじっと見つめられ


心臓の音が騒がしくなる。



私は恥ずかしくなって目をそらした。