わけても、先だって裳着をおすませになられた一の姫のお美しさ、奏でる琴の音の素晴らしさは、ひときわ優れたるものとして、都人の噂にのぼらぬ日はございません。

数多の殿上人が我こそ、と、かの姫のもとへと忍んでいかれます。

そうはいえども、うら若き左大臣の姫のこと、やすやすと近づくことのできるはずもありません。