この夜が、一の君の、姉姫への思いをますますも積もらせるものであったことは、わざわざいうまでもありますまい。

長く短い夜の過ぎて、一の君がご自分の寝間に下がられますと、一の姫は、深くためいきをおつきになられて、君の影を追い続けるのでした。

そして、この朝、一の姫は、主上が御子、二の宮様のもとへとお嫁ぎになられたのでございます――……。