「なりません!」

一の君の白い指が、その細い腕にかけられますと、これには、一の姫も鋭く静止の声を上げられて、

「君、私があなたの姉姫でなければ、あなたと契りもいたしましょう。けれど……」

と、うちふるえられますので、一の君もさすがに御身の行いの軽々しさに恥じらいもいたしましょう。